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ほんとに、どうかしてる。
肌の上を這う掌を思い出した。
雄(オトコ)のいっぱい詰まった音で私を呼びながら
煮詰めた息と共に、感覚を昂らせる。
嗚呼。
まだ、健在するか、パブロフめ。
互いの間の薄くてぶ厚い隔たりに熱を感じてしまった。
「陣内、ここ、仕事場。
弁(ワキマ)えないガキはいただけない」
そうじゃなくても、周りが面白がって見てるかもしれない。
荒ぶりそうな身体の中の液体全部にストップをかけてまた、指を動かした。
「陣内どいて、邪魔」
いただけない、のは自分の癖に。
くっそう、陳内め。
どうして私の邪魔ばっかりするんだ。
白石もさ、なんで陣内をあんたの息子にしたんだよ。
だいたい、なんで私が…なんて、考えても振り出しには戻れないし。
身体を起こした陣内は
「有馬さん、休み、1日オレに合わせてください」
やっぱり陳内だった。
とことん陳内ブリを発揮するクソ陣内に
奮えさせられるなんて、どうしようもないダメ女だ。
早急に外の空気が吸いたくなった。
ブレイドさんのカルテに記録を残し再度オーダーを確認して非常階段に逃げ込む。
掴んできたペットボトルがベコリ、と凹んだ。
なに、陣内如きに。
アイツ、自分ん家が撒いた種で芽吹いた騒ぎでこーなってんのになんであんな強気なわけ。
ブレイドさんが助かったからよかったようなものの
いや、まだ危ないんだけど、
いや、そうじゃなくて。
なんで陣内は白石の事を黙ってたんだろう。
そりゃ、そうか。
私が白石を毛嫌いしてるんだもん、言えるわけねー、って。
スッカリ生温くなった空気。
湿り気盛んでベタつくのは仕方ない。
日本は湿気大国だからな。
「あー、台湾いきたい……
ボス、連れてってくれないかなぁ」
ボスへの連絡を忘れていた。
言わば生存確認みたいなもんだ。
あの日から、別に約束した訳じゃないけど
ないけど……。
“台湾でウーロン茶飲みたい”
そう流して、あまり快適でなくなった逃げ場を後にした。

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