カルテ7ー2

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“待ってて”と言われて 「いつまで待てばいいんだ……」 ボソリと呟いた筈なのに 「何を待つんですか、望絵先生?」 三原にガッツリ拾われて 「何でもないわよ」 「ふぅん、あやしいー」 モニターのチェックをしながら薄い目をこっちに向け、唇を尖らせた。 「ね、望絵先生、あのこないだの撃たれた人、どんな関係なの? チョー噂になってますよ?」 「はぁ?!」 あんたも、今本と同じことを言うんだな! 「ブレイドさんはただの知り合いよ」 「へー、……何でブレイドさんって呼んでるんですか?」 「へ?」 また、ナースがうまく突っ込むこと。 「あー、あぁ、そうね、あーっと……」 そうだった。 ブレイドさんの名前はブレイドさんじゃなかったんだった。 「オペ室入ります!」 こうしてまた、昼も夜も、そんな事はお構い無しに過ぎていく日常に、危うくめんどくさい事を忘れそうになる。 「レントゲン持ってきてー」 「生食とバケツ!」 「写真撮ったらすぐ開く用意して」 かえって、忘れてしまえたらもっと楽なんだろうな、と思った。
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