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それでもなお、不本意は続くばかり。
普段は100メートル走
あわよくば50メートル走でゴールに辿り着く癖に。
……はやく、はやくシてよ。
「も、これでイキそ……」
「じんないっ!」
こんなに切羽詰まるような事なんだろうか。
たかだか、セックス。
いやいや、これはただの擦り合わせだ。
って、そんなことを言ってんじゃない。
涎が、ごぽり、と音を立てて溢れてくるのが分かるくらいに我慢出来ない惨めな女。
「……ぁ」
目を瞑って
ちょっとの刺激を増幅させようと
レセプターのバルブを最大に開く。
そっちがその気ならこっちだってこのままイッてやる。
“どっちが速く頂上まで辿り着くか大会”
私はチャレンジャーの立場だ。
下半身に力が籠った。
熱が1点を中心に拡がってくる。
ジリジリと。
3回に1回の割合で凹みに柔らかな頭を挿し込み
だけど、深く潜ること無く繁みを滑り三角から顔を出す。
良いように遣われている
悔しい筈なのに
堪らなくて、悶える。
その瞬間の浅い疼きに最大に締まる。
「有馬さん、ちょっと我慢できなくなってきた」
私なんてもう、ここに来る前から
我慢の限界だ。
「ね、あー、すげ」
私なんてもう、とっくにすげーことになっている。
まだ、焦らすのか
陳内、め。
男にとって、やっぱり1番気持ちイイのは
敏感な頭の部分なのか。
その、厭らしくニヤリと笑う口は
今、幸せを撒き散らす快感にウズウズとしているに違いない。
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