カルテ7ー2

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「ね、ブレイドさん、じ」 ブルブルと震えながら鳴り響く電子音。 「有馬先生、お電話です」 もうね、そんな見た目で真面目に“お電話です”とか ギャグにしか見えない。 ブレイドさんを横目で流し見ながら電話に出た。 「はい」 『 有馬先生!ホットラインです!』 「分かった、戻ります」 立ち上がると同時に電話を切る。 「じゃあね、ブレイドさん」 「はい」 陣内の、何を聞こうと思ったんだろうか。 陣内が元気かどうか? 違う。 陣内と一緒にいたあのプリチーなガールは誰だ、と聞きたかったんだ。 だけど…… 聞かなくてよかった。 自分で聞けばいい話じゃん。 休みがちとは言っても何日も来ない訳じゃない。 いざとなったら、家に行けば…… 考えて頭を振った。 そ、そげな恥ずかしい事、出来ねー! センターに着いて慌ただしい雰囲気にちょっと驚いた。 「あ、有馬先生!」 「なに、どしたの」 「〇×駅で無差別事件です!」 「は?」 『 搬送中の男性2名について、ひとりは腹部を2箇所刺され意識不明の重体です。 ひとりは背部刺傷、出血が多く危険な状態です』 なおも続くホットラインからの情報にみんなの準備の手が止まる。 「何が起きたんだ……」 「有馬先生!先生は後ろから刺された方担当して!」 「分かりました」 「なんかね、医者が乗ってるんだって」 「は?」 「たまたま、その現場にいたらしいよ?」 「へぇ」 そんな事ってあるんだな、と思いながら 救急車の到着を待った。
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