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通話を終えて何か言われるんだと思ってたのに
何も言わないでやんの……。
いやいや、それよりさ
近々の空き時間って……
いつよ。
今度はいつよ。
悩むくらいのことか、と問われれば
実際そうなんだ。
「ああ、おはようございます」
「おはようございます、勘解由小路(カデノコウジ)さん」
患者、として対応してる陣内は
ブレイドさんを、ちゃんと勘解由小路名義で呼んでいる。
それにしても、またなんともファンキーなパジャマを着たオッサンに遭遇したもんだ。
「ブレイドさん、パジャマ……おかしいから」
スマホをケツポケットに突っ込みながらその派手なパジャマに呆れる。
「そうですか?
これは昨日代表が持ってきて下さった〇×※の新作で」
「は?どこの新作って??」
「ですから〇×※の新作だそうです。
着心地がよくて、昨晩は一層、快眠でした」
ニコニコ、と図体に似合わない笑顔を披露するも
私には、この強い陽射しと同じく暑苦しい感じが否めない。
ま、どこのパジャマにしろ
チョンマゲの侍が全身に描かれた色の三原色カラーのパジャマなんて、着たくもない。
「いや、おふたりが仲良くされていらっしゃると
私も傷の直りが早くて、お陰様でもう来週退院です」
ははは、とこれみよがしに暑苦しい笑顔で笑ったブレイドさん。
いやね?
仮にもかくまってもらって命を救われた私的には
ほんとに喜ばしいことなんだ。
だけど、……ブレイドさんはなにかにつけて
陣内と私を結びつけようとする。
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