カルテ8ー2

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「まだ、次の子も授かりたいよね……」 「そうですね。 まぁ、分かりませんけど」 案外シレッと言うんだな、と思った。 陣内の顔の殆どはマスクに覆われていて いつも真面目腐りきったその瞳に感情なんて表れてない訳だから 何をどう考えてるか、なんてわからない。 自分は子供が欲しいという癖に……。 「引っ張って取れるとこまで取るかな。 出血見ながら」 「分かりました。 全部入り込んでたら、その時は開きましょう。 有馬さん、いきます?」 陣内が珍しくそんな風に尋ねてくる。 「あんたヤリたいの?」 「はい」 そう言って、足を開いたその前に立ちはだかった。 「引き出すのはオレが その後、エコーはお任せしてもいいですか?」 陣内がそう言って早速とりかかる。 「胎盤出しますよー ちょっと痛いですよー」 そんな爽やかに声をかけたけど その程度で和らぐ痛みではない。 下手したら……出産より痛いのだ。 胎盤は赤ちゃんのベッド。 赤ちゃんが出てしまえば不要物に早変わりしてしまう。 いつまでも腹の中に残しておくわけにはいかない。
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