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反省文を鬼のように書き上げて
冷たい炎を燃やしながら仕事へ戻った陣内。
「助かったよ……いや、まさか会いに行くなんてな?」
ほんと、参ったわよ、先輩。
「まあ仕方ないのか……」
先輩が残念そうに呟いた。
「ここにワザワザ来たのもそれが理由だからな」
は?
どういう??
それが理由って?
私にあんなことを言うために来た??
「私に会うためにきたんで」
「陣内先生と見合いしたんだって?加倉井」
なんだよ、そっちかよ!
…………いや、先輩、なにこの隠れ空気読めない感。
医者としてどうかと思うけど?
「結婚進んでる、って聞いてるけど」
「は?」
結婚進んでる?
無理やりだ、無理やり!
先輩は陣内に会いに来たんだと勘違いしてる。
ま、この際どうでもいいんだけどさ。
「まあ、陣内先生もあの容姿じゃ相当モテるんだろうけどな」
えぇえぇ、そりゃね。
「しかも女子高生となんて、羨ましいね」
は?
「公的な括りでもない限り犯罪だもんな」
は?
なにそれ、男はみんな最終的には若い方がイイって言いたいんすか??
いやいや、陣内はね
熟れそうな、なに?表面柔らかくなってきて、指突っ込んだら果汁ドバーって溢れる感じの40果実が大好きなんですが、何か??
おっと、38果実だった。
「オレも昨日聞いたとこなんだけど
加倉井が実際に具合悪くしたの、2歳よりも前なんだと」
「は?」
「まぁ、なんの理由か知らないけど
あのカルテよりも前のがあってな?
VSD(心室中隔欠損)で、オペやってんだよ
あー、説明難しいな、だからタイムライン的には
あのカルテよりも3年前」
「……は?」
先輩が言うことが、分からなかった。
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