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星空の下でアンアンが無理なら
じゃ、どこで、って。
この辺りはそんな事には困らないぐらいの
ラブいホテルがたくさん並んでいる。
部屋なんて空いていれば何処でもいい。
エレベーターに乗り込んだ瞬間に息を呑んで
張り詰めた空気に緊張した。
私は
このような場所には縁がない人間で
思いの外、普通な造りに驚いた。
“お前らがヤるのはこの部屋だ”と示すように扉の横に備え付けられた洒落たナンバープレートが点滅する。
部屋に入って、また普通の造りにちょっと気が抜けた。
もっと如何わしいのかと思ってた。
そしてもっと気が抜けたことがひとつ。
普段は
押し付けられて
ケツを剥き出されて
あ
と、いう間に挿し込まれる
そんな早業を擦(ナス)り付けてくる癖に
部屋に入ったところで立ち尽くしている私のそばを通り抜け
「なにやってんですか、そこでスルつもり?」
「へ」
「そんなとこじゃ優しくなんてデキないですよ?」
「……あ、そ、そだね……」
いやいや、なに
何をシレッとそんな事言っちゃってんのよ、あんた。
今そんな小っ恥ずかしいセリフをリピらんでよろしい、バカ者。
「早く脱いで」
「は?」
「今日は自分で脱いでください」
私以上に私を知る陣内。
この雄(オトコ)の深さを私は知らない。
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