カルテ10

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「一気に刺します? それとも、ゆっくり?」 どっちがいい? 囁くように聞かれて 答えたのはもちろん。 「……優しくシて、じんなぃ」 「優しく? イイですよ、優しくはしますけど どうなっても知りませんよ」 「ちょーだい、チン○……」 「まだ言いますか」 「ふ、ぁ」 「いれますよ」 想像したことが、ホントの出来事に変わっていく。 「まだ先だけですけど……そんなに締めたらはいりませんよ、有馬さん」 「……て、なぃっ」 首を振って 陣内に反抗する。 「有馬さん、覚えてます? トイレで初めてセックスしたこと オレね……」 陳先僅か、1センチだけが出入りする。 まだ、ナカには侵入しないなんて どんな余裕ぶっこいてんだ、陳内め。 「ん」 「マジ、挿入た瞬間デそうになった…… それくらい嬉しかったんですよ。 嬉ションならぬ、嬉射?」 浅い上下しか許さない陣内のコントロールは 目いっぱいパブロフ。 「言った通りになったでしよ?有馬さん」 早く、して。 早く、きて。 「オレを見る度に、濡れるようになるって」 オレだけじゃなくて トイレもでしょ…… 「あっ」 「この顔」 確かにゆっくりと沈む身体の中心を目掛けて進んでくる陳内は 狭まった肉を推し拡げて 存在をアピールしながらそこでカサを増す。 「オレを受ける時のこの、顔が ブレーキなんて効かなくさせるんですょ」 どの顔だ。 挿入られる度に息を詰まらせ 苦しいのに、気持ちいいと思い 時には唾液が口の端から零れるくらいだらしなく飢えたこの顔か。 奥まで滑り込むのに合わせて たくさんの空気を取り込もうと、顎を上げ、喉を反らせる。 「……脈、透けてる、有馬さん……速すぎ」 徐に舐められた頚動脈。 熱い舌でねぶられて その間にもう、突き当たりまで行き着いた全部を包み込んで、さらに、圧し上げてきた陣内の剛(ツヨ)さに思わず腰を上げる。 「だめ。 早く欲しいって言ったのは誰?」 これ以上は無理なのに ケツの形で出来る隙間さえも平にするが如く 引っ張ってくっ付けて、埋める。
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