カルテ10

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ゆっくり離れていく密着。 そして、またゆっくり戻ってきて 肉と肉がぶつかり合う音が、緩く弾ける。 「あ、ンッ」 「喰い散らかしてぇ」 退いていく緩さは変わらないものの 挿入ってくる速さが増してくる。 比例するのは 肉同士がぶつかる、その音。 全部がヤラシー要素として 全部、感じる。 「じんない、きも……ちぃっ」 「は、ぁっ」 快感に咽ぶ吐息は低くて深い。 「ふ、ぁっ」 微睡む寸前の暗闇に、明るく光る星が爆発するかのように、チカチカと目の奥で知らせる 今までにない、昂り。 脳と身体と心が 陣内だけを、欲しがった。 臍から下がまるで地球外生物で 自ら、求め 自ら、奪い まるでエロリアン。 理性の欠片も知性すらも持たない 地球外生物。 あ、それ、すき。 零れる音は ぐっちゃぐちゃで 吐き出す音は エロ嬌声で INラン ヒッY ドッロドロ極まりない。 極限進化だ。 快感の大舞台で、開花する極致の際。 何度も陣内を呼んだ。 燃えるように熱い。 血液が滾り過ぎて身体の中で蒸発しそうだった。 途端にぷっつりと途切れたように 世界がなくなる。 微笑んだ陣内の、柔らかな顔と ふわりと撫でられた頭の感触だけが、いつまでも残っていた。
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