ファイナルカルテ2

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隠密な営みを終えて 着替えを済ませて医局に挨拶に行くと 何を血迷ったのか 「彼女とは、結婚する予定でいます」 そんな風に言っちゃう、陣内せんせー。 は? 目が落ちそうになった。 医局じゅうが悲鳴と感嘆の驚き、その割合7:3、に包まれる。 私を見る女子たちの目が心なしか攻撃的になったみたいで、痛い。 その中でわぁわぁ、とキラキラした顔で拍手をぶっこいてるのが、若い女子ドクター。 さっきの子だった。 「結婚式には呼んでください!」 いやいや、結婚するなんて 一切言ってないし。 そりゃー、子種まみれにはされたけど 周期的に考えてそんなに心配ないだろうし。 いや、自力で妊娠するか……それは 未だに分からないし。 「あんたドサクサに紛れてなんてこと言うのよ」 「紛れてなんていませんよ?」 私を正面玄関まで送る、と言った狡くて真っ黒な雄(オトコ)陣内。 「ホントのことですから」 「は?」 「有馬さんと、オレは近いうちに結婚します」 「いやいや、なーにオカシナことを」 「有馬さん、ちゃんとお留守番するんですよ?」 こないだから、この胡散臭さ大爆発の微笑みが 多発している気がする。 そして、何故かこんなタイミングで…… ナカで貯められていた陳内の不要となったセーシくんたちが“ドロー”っとパンツに染み込んだ。 唖然。 私がなにをしたんだっつーの。 そして 「有馬先生、ご無沙汰しております」 後ろから声のかかったその男に引き渡され 「後は宜しく」 「はい」 いやいや、もう、私のセリフスペースすら作っては貰えない、一応主演女優、ダメ女もうすぐ40歳……。
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