902人が本棚に入れています
本棚に追加
「そ、わかった」
ボディバッグを下ろしてそこに入れ込んだ。
渡す権限がコーディネーターにあるなら
読む読まないを決めるのは渡された本人にある。
「ああ、そうそう闇医者」
性懲りもせず、そんな風に私を顎で示すクソ代表ザル。
「韓国出稼ぎごくろー」
「は?」
「あっちは後継に任せたから問題ない 」
「はい??」
いやいや、若いのって、誰!
「お前、やっぱ稼ぐ女だわ」
クソ代表ザル、そんなとこ褒めないで欲しいんだけど……
「1年で稼いだ額、教えてやろうか」
「いらない」
「ま、報酬はおにいさんに渡しておいたから」
「は?」
「ああ、それから、ちょっと今から付き合えよ?
望絵」
ぷっ、と笑う運転手。
勿論、ブレイドさんだ。
「おにいさん、って??」
「決まってるだろーが」
「なんで渡しちゃうのよ!
私が稼いだんでしょ!?
ね?!私のでしょ!!」
「有馬さん危ないですから、座ってください」
なんだ!
デジャヴか!
さっきもおんなじよーな図柄だっただろーが!
なに!
なんで訳分かんない事が起きてるの!
さっぱり、訳のわかんないまま私の人生は過ぎていく。
「ね、なんなの……いったい……」
「有馬先生、とにかく、落ち着いてください」
ブレイドさんまで、いったい、なに!
「落ち着けないっての!」
叫んでみたものの、それは虚しく響くばかり。
クソ代表ザルは明らかに大笑いをして
ブレイドさんは肩を細かく揺する。
私って、こんなに笑われキャラだったか?と
勘違いしてしまいそうになるくらいだった。
最初のコメントを投稿しよう!