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小さな島。
だって、外周、30分もあればくるりとひと回り出来るくらいのこのリゾート。
本当なら観光客満喫シーズンのいま、賑わいまくっている筈だ。
それを
貸し切ったと聞いたのは、そう、たったの二日前。
しかもさ、陣内。
まぁ、島をどうこうにはこの際目を瞑るけど……
あんた移植したばっかじゃん?
なーんで患者ほっぽってここにいんのさ。
「ちゃんと診てくれるドクターは専任がいいに決まってるでしょ?
今オレが診なきゃいけないのは、有馬さんだし」
水面が、繰り返す波は
陣内に呼応する。
「気持ちよさそうな顔……
オレもマジ気持ちイイ」
だいたい、私は結婚の承諾をした覚えはない。
いや、二日前、肉がクソ食べたいあまりに
何処にでもついて行く、と言っちゃったから
こうなったのか……
「どんなドレスにしたんですか、有馬さん……」
なに?試着ってゆーの?
あれ、結構大変なんだなー、なんて。
「まさか、姫ドレス?」
楽しそうに、美しく笑いながら
牙を突き立てるあたり、甘甘嬲りだわ、陣内。
「……やっと、オレのになるんですね」
鎖骨あたりに顔を埋めて
そんな風に囁かないで。
私の髄を擽る陣内の些細なことも全部、キュン。
誰も邪魔ものはいない
2人だけのここで
私は後何回、イクんだ……
末恐ろしくて、考えらんなぃ。
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