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胸の先っちょが既に硬くなっている。
ガラスの固さよりも弱いそこは
泡にまみれて抵抗が無くなり、難なく刺激を与えられる。
「じんない」
私が囁くのと同じように
陣内の唇も動いていた。
ただ、何を言ってるのかさっぱり分からないけど。
内側が発火するくらい熱く、熱くなって
恥ずかしいくらいに熟(ウ)んできたのは
陣内にだって分かっているだろう。
泡を避けて、滲んで、その粘る重さに耐えられずに染み出す滴りは、独りでスる時よりも遥かに多い。
何もされてはいないのに……
ただ、自分で、自分を、ガラスに押し付けているだけだ。
炙られたように小っ恥ずかしくなった。
顔の温度がマックスまで駆け上がる。
“ゴン”と小さく鈍い音が響いたのは、額をそこにぶつけたからだ。
乱れ髪的な行為をちょっと反省中。
視線を落としたそこに、影が落ちてきた。
陣内の足元。
白い部屋履きスリッパから上へ上へと辿り
目の前に立った陣内は
私を唯一、奮えさせることのできる雄(オトコ)だ。
ガラスを挟んで陣内の顔に触れる。
指の跡が白い泡沫(ウタカタ)を描いた。
よく見れば同じような畝った跡がたくさん引かれているそれは
私が足掻いた跡だ。
どっちが飼われているのだろうか。
狭い部屋にいる、裸体の私にその軍配が上がるだろう。
主様(ヌシサマ)に弄って欲しくて
構って貰いたくて
仕切りに身体を押し付けてそれを願う。
「じんない……」
陣内が、何かを言っている。
だけど、聞こえないし、分からない。
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