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せっかくこんなに近くにいるのに、触れては貰えなくて
自分からもそうはできないことに業を煮やした私は
ガラスに
顎を付け
下唇を付け、上唇で食む。
幾らか泡の剥がれた掌と身体を擦り付け惑う。
気持ちが昂る。
子宮が締め上げられて、その入口が何かを想像して
有り得ないほど窄まっていく。
これは
単独プレイなのか
それとも
陣内を誘う為の罠か
どっちだ。
陣内の指が
きっとガラスに押しつぶされてタラコのように広がっているであろう唇を辿る。
直に触れられている訳ではないのに
腰が、揺れる。
向こうの指をベロで舐めて
下唇で追った。
どんなにみっともないかを想像するのも、イイ。
だって、今は飼われた雌(オンナ)なんだから。
そのことがまた疼きを与えて
ビクビクと、何もしないのにアソコが締まる。
私は、こんな厭らしいオンナ(雌)だっただろうか……。
見上げた陣内は恙(ツツガ)無く、いいオトコ(雄)で
悶えた吐息を吐いたことで少し烟(ケブ)るガラスに沿う私に
冷たくも熱い視姦を送り続けた。
「すき、じんない……」
呟きながらガラスで唇を潰す。
「すきよ」
身体を隠していた泡がいつの間にか溶けていた。
あんなにクリームみたいにプワプワと角が立っていたのに……
どんなにへしゃげるているだろうか。
豊かではないが、ちゃんと膨らんでいて
丸みのある房は。
陣内の掌で弄ばれた時よりも歪んでいることを願う。
だって、そうしたら
“オレが、もっと”って思うかも
しれないでしょ?
「ね、じんない……」
そう、呟いて
名残を残す視線を交わしてから
陣内に背を向けた。
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