1049人が本棚に入れています
本棚に追加
************
高透過強化ガラスのローテーブルの上に並ぶ3枚のエコー写真。
その1枚をマジマジと見ながら派手な柄のハンカチを目尻に当てる男は
デカくて、ガッシリとした身体を折り曲げてその肩を揺らした。
「なんだ、計画妊娠か」
馬鹿みたいに高笑いを披露するのは、智。
「ヤリすぎだ、ヤりすぎ!」
そう言って高らかな笑いを重ねる。
あの後、ぎゃあぎゃあと騒ぐ望絵さんを抑え……宥めつつ
ブレイドがすぐ様祝いだと白石邸に連絡を入れて
今、正にリビングで宴の最中。
「いや、お前らさ」
香川先生、何度目だよ。
「もー、ボス、分かりましたってば!」
あんな所で(病院なんだけど)
あんな格好で(普通なんだけど)
“ボスとブレイド”に出会ってしまった望絵さんのご機嫌はかなり、御立腹気味。
「いやいや、ですから新婚時代はほら」
「違うしっ!」
「あんまり怒ってばっかだと腹に響くぞ!」
祝賀ムード満載の男4人と
あまり乗り切らない望絵さん。
「いやいや、本当におめでとうございます、有馬先生」
「……ありがと」
香川先生はそういう“プレイ”をしているんだと思ったらしい。
ブレイドは勿論、“ごっこ”だと思っていただろうよ。
いや、ごっこもプレイも出来るもんならやってみたい。
グッと手を握ったのは膝の上。
あんなに興奮できるんだ。
是非、やりたい、いや、やろうじゃないか。
いや、望絵さんの妊婦検診は全部オレが引き受ける。
望絵さんの素晴らしい穴3つを
知らねぇヤサグレ医者に拝ませる訳にはいかないだろ。
なんなら、取り上げるのだってオレが……
「で、どこの病院行くんだ?」
「まだ、決めてません」
は?
オレには診させてくんないわけ??
香川先生と望絵さんは
どこの産科がどうだ、ああだ、と談義を始める始末。
最初のコメントを投稿しよう!