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管、締められちゃったら
出ないんだけど、みたいな?
それがまた堪らない。
あの、出したくてもデない、イライラするような
ムズ痒いような
違うな
なんか足元から湧き上がってくるみたいな、何か。
親指と人差し指が締めあげるオレの
勃起根元部分をね、こう、ぎゅー、っと
ぐいーっと、し
「陣内」
「はいはい、血ぃ抜きますよー」
やべ。
完全に勃った。
あー、オレの頭の中は煩悩だらけだなぁ。
「望絵さんアイソレーションバッグ」
「オッケー」
両腎をちゃんと確認して大動脈切開後、再び諸々確認
そして、大動脈の二分割を行う。
「あー、綺麗だね、望絵さん」
「うん、大事に使ってもらいたい」
この人が医者になったのは
本当に神の導き以外のなにものでもない。
類稀な才能も然り
だけど、並ならぬ体験と経験、それに
自分が追い込まれる境遇=逆境からのし上がってきたんだ。
その中で恭志郎に檄を飛ばされ
信頼を得る逸材に育ったことは
自信を持って自慢してもいいと思う。
「お疲れ様でした」
「うん、陣内、ありがとう」
ドナーの見送りも
ちゃんと丁寧に済ます律儀さは
どれだけこれが有難いかをちゃんと知ってる証拠。
ほんと
オレ、まだまだだよ、望絵さん。
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