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あれから一年。
私はアメリカの家は売って、日本で看護師として働いている。
遥人との思い出の家を手放した時
大きな虹を見た。きっといいことがこれからあるよって。
遥人に応援されている気分になった。
「円花さん」
「誠一さん?お久しぶりです。どこか体調でも悪いんですか?」
「いや、今日は円花さんに会いに来たんだ」
「私ですか?」
「相談したいことがあるんだ。今日、仕事終わりに時間貰えるかな?」
「いいですよ、じゃあ18時に近くのカフェで」
久しぶりに見た誠一さんは
相変わらず、ビシッと髪型から決まっていて
オーラもあったが、表情が以前より優しくなっていた。
「ねぇねぇ、知り合いなの?あの人と!」
「うん、ちょっとね」
「いいな~紹介してよ!前の奥さんと離婚したんでしょ?イケメンだし、金持ちだし、いいわよね~前の奥さんは贅沢よ!何で離婚したのかしらw」
「色々あったんですよ、きっと」
そう、人には理解できない悩み。
一族のために好きでもない旦那の弟に抱かれ
そして、好きになってしまったのに離ればなれ。
やっと再会できたと思ったら、思い人は重い病。
2人は今も幸せをかみしめながらも
苦しんでいる、優しい2人だから――
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