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会場に入ってもっと驚いた。
アメリカから父さん、ミシェルも来てくれていたし、涼の家族も蒼井さん、ウィルも来ていた。
この旅行の日程が少し遅くなったからその間に涼と司がみんなに連絡をとってくれていた。
「葵、きれいだぞ。要もなんだか可愛くなって…」
って父さん、泣いてるし。
「素晴らしい恋人に巡りあってこんな素敵なパーティーに来られて最高よ!ありがとう!!」
ミシェルも嬉しそうに声をかけてくれた。
本当に出会った人に恵まれてるんだと実感した。
ウィルは蒼井さんになんとかしてここに泊まりにまた来ようって説得していた。
涼のお姉さんのななさんは子供とはしゃぐ幹生さんを見て楽しそうにしている。
翼君と翠さんはどっぷり二人の世界だ。
先生と戌井さんも二人で会場の構造を見ているのか、小説のネタを探しているのかわからないけれど楽しそうだ。
みんなに祝福されて涼がこんな事をけいかくしていたなんて知らなかった。
はじめは疑ったんだよな、本当バカだった。
「葵ちゃん…」
「ん?」
涼はにっこり笑う。
あぁ、この笑顔をずっと見てきたんだ。
救われた、本当に涼にはたくさん救われてきたんだ。
涼が俺の耳元で囁く。
「みんな帰った後に俺達はもう1泊するからね。二人っきりでゆっくりしよう」
「うん、分かった。」
どうやら要も司も明日には帰る。
俺は仕事休めたし。
涼と過ごすならどこでもいいけど…
涼があまりにもにこにこしているからな、素直に泊まろう。
「涼、本当にありがとな。すごく嬉しいよ。」
俺の素直な言葉に涼は少し驚いた。
「また来よう、葵ちゃん。
はぁー…もうっ!」
ぎゅっとみんなの前で抱き締められるのははずかしいけど…
んーまぁ、今日は主役だし。
突き放したくもない。
俺たちを見てみんなの祝福する声が聞こえる。
でも一番大きく聞こえたのは…
「…愛してる。」
耳元で聞いた涼の声だった。
END.
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