焦りと偽り

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「…ハァハァ…お前には負けん!」 「ハァ…ハァ…るせぇ…新参者がっ!」 「ハァハァ…お前は…保護者か?」 「…!何?…ハァハァ…俺はっ…」 「……俺は恋人になるっ…ハァハァ」 「……それは許さなっ……」 …司がラストスパートだ! 涼も追いかけてる… てか、涼、ダメだ!足!大事にしろよっ! 司ももちろん大事だが、サークルにとったら涼の体は大事だ。もうすぐ大会もある! 「りょっ!涼!ダメだ!!!」 とっさに俺は叫んでしまい、その声に司が失速して涼はゴールに突っぱねる。 「ハァハァハァハァ…試合放棄か…」 「…ハァハァハァハァ…お前…なんでこの高校に来た…?ハァハァ…かっさらったら許さん! 「ハァハァハァハァ…知るか!俺だって推薦断るくらい…ハァハァ本気なの!」 「要はやらん!」「葵ちゃんはもらう!」 …ハァハァ…ハァハァ……… 「「――――ハァハァはぁぁぁー?」」 ハァハァハァハァ…俺も葵も二人に駆け寄る。 「…ハァハァ必死だな、司」 葵の手を取り司は立ち上がる。 「ハァハァハァハァ!涼、足壊すぞ!」 涼は倒れ混んだまま腕で顔を隠している。 どっどしたんだ? 「ハァハァハァハァ…須泉…司…」 「…ハァハァ…あ?」 顔を隠した腕を上げ、涼は司に手を差し出す。 それに反応した司も手を差し出し涼の体を引き上げる。 おっ?なんか仲良くなった? 涼がその勢いのまま司の耳元でささやく… 『お前と同盟を組みたい…』 司は少し目を見開いた 『条件がある…』 …………… 俺と葵に聞こえたのはその後の 「そこは無条件じゃないのかよー!」 という謎の涼の叫びだけだった。
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