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ざっ・・・ざっ・・・
ざっ・・・ざっ・・・
「ふう、ふう、草が生い茂ってて進めないよお。」
キジトラ猫のメゾは山林を掻き分け、奥地へ奥地へと入り込んでいた。
ケーン!!ケーン!!
「うわっー!キジの声!!すっかり山奥に来ちゃったなあ。」
ぴょん!ぴょん!ぴょん!ぴょん!
「ウサギだ!!長い耳だなあ。でっかい脚だなあ・・・」
「なあに?ひとの顔をジロジロ見て?」
「うさぎーー!!私、ウサギになりないんだけどーーー!!」
「何言ってるの??あのさあ!私、急いでんだけど?!」
「だあからあ、ウサギになりないの!!耳をどうやって長く出来るかとか、脚をどうやって逞しく出来るかとか?」
「何付いてくるのニャン公!!アッチに行ってよ!!しっ!しっ!」
「だぁかぁらぁーーーウサちゃーん!!」
雌ネコのメゾは、嫌々しながらあしらい続ける通りすがりのウサギの後をしつこくしつこく付きまとった。
その時・・・
ざざーーーーーっ!!
「きゃーーーっ!!」
「どうしたの?ウサちゃん!!」
「ノウサギのイチゴめーー!!みーつけたぞーーー!!」
「きゃーーーっ!!キツネのネケが出たーーー!!」
「キツネーーーーー?!」
仰天して慌てて飛び上がるノウサギのイチゴと対象に、雌ネコのメゾは突然のキツネの出現に目を輝かせた。
「キツネさーーーーん!!キツネさーーーーん!!私、キツネさんになりないんだけどーーー!!どうすればなれるかなあーーー?!
尻尾をフカフカにするには、どうすりゃいいのぉーーーーー?!口先を尖らすには、どうすればいいのぉーーーーー?!」
今度はノウサギのイチゴを追いかけるキツネのネケに、雌ネコのメソがネケを上回る速さで、執拗に追いかけてきた。
「ねーねーキツネさーーーーん!!シカトしないで教えてよぉーーー!!」
「うわーっ!!うわーっ!!邪魔するな!!このニャン公!!」
「ねーねーねーねー!!キツネさ・・・」
ガツーン!!
キジトラネコのメゾは、キツネに気をとられ過ぎてよそ見した為に、目の前の木に気付かずに激しく激突した。
「あいタタタタ・・・あれ?ウサギさんとキツネさん・・・あーあ、行っちゃった!!」
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