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ざっざっざっざっざっざっ・・・
キジトラ猫のメゾは、更に森の奥地へやってきた。
ぴょーん!!ぴょーん!!ぴょーん!!ぴょーん!!
「ん?」
ぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんぴょーん!!
メソが真上に気配を感じて見上げると、1匹のニホンザルが木の枝から枝へと、ぴょーんぴょーんぴょーんぴょーんと飛び移って行く姿を見付けた。
「あーっ!!サルだ!!おサルすゎ~~~~~~ん!!」
キジトラ猫のメゾは、ガシガシと木の幹をよじ登ると、木の枝の上に立って呼び掛けた。
ぴょーん!!ぴょーん!!ぴょーん!!ぴょーん!!
「わー!!おサルすゎ~~~~ん待ってぇ~~~~~~~!!」
猫のメゾは枝から枝へ、おっかなびっくり飛び移りながら、どんどん遠退くサルの姿を追いかけた。
ぴょーん!!ぴょーん!!ぴょーん!!ぴょーん!!ぴょーん!!ぴょーん!!ぴょーん!!ずるっ!!
「うわーーーーーっ!!」
ドスン!!
メゾは、枝から脚を滑らせて真下の茂みに墜落した。
「いててて・・・滑った・・・着地しようとしたら・・・草に脚を取られた・・・私、『猫』なのに・・・着地失敗した・・・」
「うきーーーーーっ!!うきーーーーーっ!!うきゃきゃきゃーーーーーっ!!」
ニホンザルのレイジロは木の枝の上で、猫が地面に墜落した無様な姿を指差して大爆笑した。
「ねぇ~~~~~!!おサルすゎ~~~~~ん!!どうしたら、そんなに上手く枝を渡れるの~~~~~~~??」
むくっと起き上がったキジトラ猫のメゾは、頭上のサルに問いかけた。
「教えぬゎーーーーーい!!あっかんべーーー!!」
「そうつれないこと言わないで、教えてよぉ~~~~!!おサルすゎ~~~~ん!!」
「一昨日来てねーーーーー!!猫ちゃん!!ばーははーーーーーい!!」
ニホンザルのレイジロはそうあしらうと、再び枝から枝へ飛び移って逃げ去っていった。
「くしょーーーっ!!サルに舐められれたぁ!!
いいもん!!他の『者』になるもん!!
本当、私『猫』のままかなあ?
いや、まだ諦めないわ。
他にも私がなれる『者』が、この森に居るかもしれないわ。」
キジトラ雌猫のメゾは、更に奥深く森の中へ進んだ。
ざっざっざっざっ・・・
「あっ!!誰かいる!!うわっ!!」
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