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「いやぁ、参ったね。ここは理不尽な仕打ちを受けた人間のメンタルを更に煽って辞表を書かせる部署ってわけだな。
前任の室長は、確か…藤崎さんだったよな。彼は辞めてしまったんだね。」
「そうですね。藤崎室長は毎日、何とかしようって言ってたんですけど…。」
「そうですよね。俺にも諦めるなって、よく言ってたんです。それが、突然、『やめだ!やめだ!もうやめてやる!やめてやるよ!』って言い出して。ねぇ、大野さん。」
「そうなんです。本当に突然でした。人が変わったみたいになってしまって。辞めた後、入院したと聞きました。」
「そうか。藤崎さん、無念だったろうな。」
倉庫のような資料室で、まともに仕事をさせてもらえない屈辱は、やがて精神を崩壊していくんだろうと想像はつく。
「お前達。よく頑張ってきたな。」
「室長…。」
「室長…。」
えっ!子犬のような瞳で俺を見るな。とは言え…辛かったのは確かだろう。
「今日が初対面だが、早速、オレ流で行かせてもらうぞ。大野!青木!今日からお前達は、俺の部下だ。よろしく頼む。」
「「はい。」」
「俺に考えがあるんだ。と、その前にだな。」
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