第1章

6/22
前へ
/22ページ
次へ
「早速だが、返り咲き作戦を練るぞ。」 「返り咲き作戦?」 「そうだよ。こんな所にいつまで居るつもりだ?」 「でも、どうやって…ですか?」 「まず、濡れ衣を晴らす。経営陣が少し代わったから、と言っても親族経営だけどな。今までの悪行を曝してやる。例え、会社を辞めるにしても真実は明らかにしないと、だろ?」 「本気ですか?」 「勿論。本気だよ。やるか?」 「はい。やります。」 「はい。僕もやります。」 「よし。何かあった時の責任は俺が持つ。」 棚がすらりと並んでいる資料室の掃除をして部屋に漂う資料室独特のジメ~っとした空気を一掃する。換気口も機能している事を確かめて、ホコリを拭き歩く。 青木が俺と大野を呼んだ。 「どうした?」 「室長。大野さん。これ…何ですかね?」
/22ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4人が本棚に入れています
本棚に追加