第1章 いつもの日常が変わるとき

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「涼香(すずか)…大声で呼ぶのはやめろって言ってんだろ」 俺は何度も注意した。 年と共に落ち着きを覚えた俺はこういうことに敏感になってしまった。 それでもやめないから涼香に対して俺は頭を抱える始末になってる。 でも、涼香のお陰でクラスに馴染んだといっても過言ではないから涼香には頭が上がらない。 人見知りって訳でもないけど、自分から友達を作るのはしなかった、いや、面倒くさかった。 それが自然と壁を作っていたらしく、誰も近寄ってこなかった。 「探すのめんどくさいもん。呼べば返事するしね」 「お前なぁ…」 彼女らしいといえばらしい。 そしてまんまとのせられている俺も俺だ。 悪気がないのは分かってる。 だからこそ本気で怒ることもできない。
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