この季節

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うだるような暑さ。蝉の声を聞いただけで汗が滲み出てくる。この時期は、辛い。地獄だ。 あちこちで人が倒れる。それはもう、申し合わせたかのようにバッタバッタ倒れる。それはもう仕方ない。倒れた人に罪はない...が。 「お子さんにこまめにスポーツドリンクなど飲ませてあげてください。」 「気温が高いですから。暑く感じなくてもクーラーをつけて、水分をしっかり摂ってください。そうしないと、気付いたら動けなくなって今日みたいになってしまいますから。」 「徹夜で仕事ですか...。仕事が大事なのはわかりますが、仕事をする身体も労ってあげてください。倒れてしまっては仕事もできませんよ。」 「ダイエットですか...(自分磨きで命削らないように)ほどほどにしてください。水分は摂っても身体に貯まりませんから。運動した後は特に気をつけてください。」 頼むから、自己管理しっかりしてくれ。暑いだけで体力は消耗されるんだ。今は冬じゃないんだ身体から水分がなくなることくらいわかるだろ。水くらい飲め。寝ろ。身体を休ませろ。 自分は大丈夫...?...んなわけあるか! こちとら そういう君達のせいで疲れがとれないわ! 売れ残りの経口補水液(期限切れ)を飲む。...相変わらず不味いな。でも捨てるには勿体無いから、期限が切れた瞬間に此処のスタッフ達の飲料水となっている。 そもそもだ。そもそも何故こんな季節がやって来るんだ。理論でわかっていても感情が納得しない。 「あ~夏なんてなくなればいいのに…。...冬もやだな。春も秋も......あ。」 ついに頭がいかれたか。独り言なんていつも言わないうえ、完全に我儘だ今の。四季全部嫌いって...じゃあ何がいいんだろ。 話を戻すために咳払いをする。...見方を変えよう。 予防だ予防。 倒れる危険と隣り合わせである自覚が足りないんだ。だから予防しようなどとも考えない。 だったら習慣化すればいい。 全ての人に告ぐ。 こまめに水分・栄養を摂り、ちゃんと寝る。 これを習慣化してくれ。頼むから。
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