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「こんなクラスの担任なんて、もうやめてやる!」
輝泰の担任、弥生(やよい)は泣きながら教室を飛び出した。
生徒達に押さえつけられ、無造作に切られた髪の毛が痛ましい。
教室からは、歓声が上がっている。
半年ほど前までは、特に問題の無いクラスだった。
輝泰の両親が離婚した事が発端だった様に思う。
授業を聞かなくなったり、他の子に暴力をふるう様になった。
それを嗜めようとしたことが、輝泰の逆鱗に触れたらしい。
標的は私になった。
クラスの中心に居た輝泰がそうする事で、それはあっという間にクラス中に広がっていった。
皆が授業を聞かない事から始まり、イタズラも怪我をしかねない凶悪なものへと変わっていったが、校長や他の先生は貴方の責任だと助けてはくれなかった。
学級崩壊。
言葉にするのは簡単だったが、たった4文字のそんな言葉で表せるほど、生易しいものでは無かった。
弥生の無惨に切られた髪の毛を見て、校長はさすがに対応せざるおえなかった。
他の学校を紹介する事を条件に、弥生はこの事を大事にはせず、静かに去っていった。
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