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「ぶふふっ。さっすがはイオラにゃん。ミーにゃんの主役続行にゃん」
「どういたしまして、ミアンちゃん。
あの子はね。一度へそを曲げちゃうと、もう大変なの。
当分の間、創造主のワタシの言葉さえ、耳を貸そうとはしなくなっちゃうのよ。
ふぅ。監督やプロデューサーからは、
『早くなんとかしてくれ』ってせがまれているし、 最初は困ったわぁ。
『どうしたらいいのかしら』ってね。
で、ミアンちゃんに協力してもらって、モノは試しとやってみたんだけれど……、
ふふっ。結果は上々みたいね。良かったわぁ」
「とはいうもののにゃ。ミーにゃんがヤケににゃるのも、判る気がするにゃ。
今回の作品では、主役の置かれている状況って、にゃかにゃか厳しいもんにゃあ。
『我慢に我慢を重ねて最終回でやっと実を結ぶ』という典型的にゃ、お涙頂戴の苦労話。
どう逆立ちしたってネコには無理にゃ話にゃん」
「ワタシだって。この歳になって、そんな役、まっぴらごめんよ」
「ってことで、めでたしめでたし。ばんにゃあい!」
「そうね。めでたしめでたし。ばんざぁい!」
「ねぇ」
ぎくぅっ! ぎくぅっ!
「ねぇ、ふたりとも。なにこんな暗い所で仲良く、『ばんざい』なんかしていたわん?
……っていうか、なに硬直して灰みたいに真っ白になっているわん?」
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