害虫駆除一家のとある日常

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2×××年、とある田舎のお風呂場にて。 「俺様の名はセンティピード!バー民の民を守る警官だ。ほら、俺様の自慢の顎でお前の綺麗な顔がグチャグチャにされないうちにさっさと逃げな。白髪野郎!」 自慢の顎をカチカチ鳴らしながら自信満々に言うムカデ。 ムカデといっても普通のムカデではない。 人のような形をした2m以上の言葉を話すムカデだ。 普通のムカデと同じなのは見てると嫌悪感を抱く事と猛毒を持っていることの2つだけであり、あとは全て異常だった。 「お褒めをありがとさん・・・俺も甘く見られたようだな。たかがムカデごときに・・・見たところによると、お前は警官じゃなくて自警団の方じゃないか?小物のお前にぴったりだよ。」 甘く見られたのが癪だったのか顔をしかめながら男は言い返す。   白髪の男は黒の制服に身を包んでいた。 この制服はバー民の攻撃を和らげるために作られたバー民駆除専用のもので、これを着ている者は民家や公共の施設などを自由に行き来できることが国で認められている。 そう、バー民が出れば駆除しに入らなければならないのだ。たとえ、それが年頃の少女が入浴中の風呂場であろうと・・・ 「な、なんだと!俺様を小物だと――――」 「だって、そうだろう。抵抗もできない入浴中の少女を襲おうとするなんて・・・小物しかできない事――――」 「そうよ!だいたいね、か弱い女子が入浴中だっていうのに入ってくるか。クソ虫――――」 いままで男の後ろに隠れていた少女がいきりたって言う。 「まぁ、落ち着いて。あとは俺にまかせて――――」 「あんたもそうよ!国が認めているからって入って来るな、ド変態!!女の人だけ来いよ!」 男は怒りの矛先が自分に向けられ、思わずたじろぐ。 「いや、今日はバー民の目撃情報が多くて人手が足りないんだ。父さんは別のバー民を倒しに行っているからいないし、祖母と妹は実験室にに引きこもって出てこないんだ。それに母さんは卵のタイムセールスに行っているから手があいているのは俺だけで・・・ご依頼の電話ではあなたのお母さんが水着着ていると言っていたので大丈夫かと――――」 「ぜんぜん大丈夫じゃないっ!なにが卵のタイムセールスだ、公務員と同じ給料のくせいに。だいたい・・・ブツブツ」
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