害虫駆除一家のとある日常

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少女の怒りはまだおさまらないず、どんどんヒートアップして男にぶちまける。 だんだん男の心がズタズタになりかけた頃、今まで放置されていたことにムカデのセンティピードがきれた。 「お前ら俺様を無視すんじゃねー!2人一緒に噛み砕いてやる!」 そう言うと奇声を上げながら2人に襲い掛かる。 男は咄嗟に少女を自分の後ろに庇い、センティピードの攻撃に備える。 次の瞬間、なぜかセンティピードが後ろに吹っ飛んだ。風呂の壁をぶち抜いて外のコンクリートでできた外壁にぶつかって止まる。あまりの勢いにコンクリートが凹んだ。 あの勢いでコンクリートの外壁にぶつかれば完全に死んだだろう。 「うひょー、これが新作のバー民コロリアースバズーカか・・・凄い、威力が前回より85%アップしている。いや、それどころか一回りくらいコンパクトになって軽い。凄い、凄すぎる。これが科学の進歩というものなのか。」 男の後ろから聞こえた。それは庇った少女ではなく別の少女の声だった。 振り返らなくともこの声は分かる。いつもうんざりするほど聞いている。この声は―――― 「あっ、お兄ちゃん。大丈夫だった?まぁ、大丈夫でしょ。お兄ちゃんの事だからさそりにさされても生きていけるもんね。それより、今の見た!?新作のバー民コロリアースバズーカ!前回よりレべルアップしてるんだよ!凄い、凄いでしょ――――」 「来るのが遅いぞ!本来はお前の担当だろ!?また引きこもって、この科学オタク!」 男は同じバー民駆除専用の制服を着ている少女を怒る。 さっきまでうっとりと小型のバズーカを見ていた少女が逆ギレする。 「うるさい、科学オタクの何が悪い!この白髪野朗!」 妹との兄弟喧嘩のスイッチ入った。 こうなったら、そう簡単に止められない。蹴ったり蹴られたり。殴ったり殴れたりの繰り返し。ところどころ相手を罵る声も聞こえたする。 さっきまで怒っていた少女は喧嘩を制止にしようと試みていた。きっと兄弟の喧嘩の凄さに怒りを忘れたのだろう。 「いい加減にしなさいっ!!みっともないでしょう!終わったのならさっさと報告書書きに行きなさいっ!」 怒鳴り声を聞いて兄弟喧嘩をしていた2人と少女が振り返る。 センティピードがあけた壁の外に中年の女性が仁王立ちでこっちを見ていた。
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