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雪「母様のわからずや!……どうして雪にはあれもしちゃいけないこれもしちゃいけないと言うの…」
雪は1人、近くの川岸を歩いていた
呉服屋「夜幡」(やばた)
裕福な家庭に生まれ、兄2人に姉1人、弟と妹が1人ずつとたくさんの兄妹がいる雪
他の兄弟達は許され、自分は許されないことに不満を抱え、一人悩んでいた
雪「雪は…どうして雪だけ……」
自分だけ何かが違う。
父様と母様は雪だけに厳しい
雪「どうして…雪は悪い子なのかな」
俯き、トボトボと歩く雪
前から来る人影に気づかなかった
ドンッ…!
男「危ねぇぞ、餓鬼!」
雪「えっ!?う、わ!?」
ドンッと肩があたり、川の方へよろける雪
ドサッ…ザザっ!
雪「っ~…痛いっ…うぅ…」
そのまま川岸まで転げ落ちてしまった
足を擦りむき、その場でしゃがみ込んでしまう
雪「うぅ…痛い…痛いよ…父様っ…母様っ…うぅ…」
急な斜面でもない土手だが、怪我をした雪には登ろうと思えるほど軽いものではなかった
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