717人が本棚に入れています
本棚に追加
常連客に連れられてきた、バカでかい男。
人懐こくて、人の好さげな、感情が全部表情に出てわかりやすい男。
場慣れしてない場所である自分を、隠さず出せるとこが妙に肝が据わって見える。
それともただの馬鹿なのか。
男だと認識してるはずの真琴に、ひとめぼれしましたといきなり告白した時には「うん、馬鹿だな」と確信した。
馬鹿犬だ。
そしてその野生並みの嗅覚で、真琴を女だと嗅ぎ分けたに違ぇねえ。
だけど勢いがある。
悪い奴じゃねえ。
ちょうど、梶のオッサンの件もあったことだし、それを理由に真琴に近づける理由を一つ、与えてみた。
早々上手くいくことなんてないかもしれないが、これが転機になれば、と思ったからだったのだが。
いやいや、なんてこたあねえ。
真琴は見事に、恋に落ちた。
最初のコメントを投稿しよう!