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「それから」
「まだあんのか。はよ行けって」
なんで俺がこんなに心配されんだ。
どっちかっていうと生活能力無いのは真琴の方だと思うがな!
陽介が居ない平日とか絶対昼飯食わねえだろ。
下手したら朝飯も食わねんじゃないか。
「お前は自分の心配してろ」
と、苦々しく思いながら煙草を一本、箱から取り出して咥えるとフィルターを噛む。
「僕は別に、心配されるようなことはないだろ」
「よく言うなお前」
「佑さん」
「あんだよ」
やけに、真剣な顔が近づいてきた、と思った次の瞬間。
ぽすん、と腕の中に細い身体が飛び込んで来た。
ぽろ、と口から煙草が転がり落ちる。
火ぃつける前で良かった。
「今まで面倒みてくれて、ありがとう」
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