鋼の蕾

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知らない人のスキップで 人見知りする猫が鳴く すぐに消えそな細い声 意地で鼓膜に張りついた ギリギリを突くステップで 軽々弾く水溜まり すぐに泣きそな雨雲は 焦げた三日月掻き消した 首を傾げた花火たち 今にも吠えるように散り ただ爆音を響かせる それは誰にも止められぬ 汚(ヨゴ)れた夜を飛び越えて 汚(ケガ)れた朝を迎えたら 新たに産まれる命あり 宇宙の中にただ一つ 名前なんて必要ない
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