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そういうと埜亜さんは紅茶が入ったティーカップに口をつけたのが埜亜さんとの最後の会話となってしまった
台風が近づいて大雨が降るその夜の事に事件が起きた。
香織さんが明日香さんを寝かしつけた後、いつものようにお屋敷の見回りをしていた、そのうちの一つの部屋から聞いた事のないような大きな物音と窓ガラスが割れるような怖い音が響いていた。
「どうしたのかしら?」と香織さんはその部屋のドアを少し開けて、中の様子をこっそり見ていた
すると中には・・・埜亜さんの血のついた万年筆だけが落ちていた
「埜亜さんの身に何かあったんだわ」
と思い香織さんは血相を変えて埜亜さんのいるキッチンに向かって走り出していた
しかし時はすでに遅く、彼女は変わり果てた姿で亡くなっていた。
キッチンの床には埜亜さんが毎日紅茶を飲む時に使っているティーカップが割れて落ちていた。
先程のガラスが割れるような音はティーカップが割れて埜亜さんの死を知らせる音だった
香織さんは変わり果てた埜亜さんを見ると泣き出し
「埜亜さん助けてあげられなくて本当にごめんね」
そう自分に言い聞かし涙が枯れるまで泣き続けていると
「ぁっ…」声にならないほどの小さな声が香織さんの耳に入った
後ろを振り返ると辛うじて命からがら難を逃れた明日香さんの立ち寄った姿があり埜亜さんのいるキッチンに入ってきたのである
屋敷で起きた鎌鼬事件で亡くなった埜亜さんの前で泣いている香織さんの姿を見て足が震えているようだ
しかし彼女達に更なる恐怖が訪れるまで5分もなかった。
それは予想外の出来事であった
泣いている香織さんの真後ろで明日香さんは鎌鼬がいた
その時感じた明日香さんの身に危険が来ることを香織さんはとっさに声を出して叫び自分のそばに寄せようとしたが足にかかっていたダメージが大きく寄せられない
…気がついたときには、目の前に血だらけの明日香さんが鎌鼬に攻撃された姿と明日香さんの目の前には鎌鼬が使ったものと思われる包丁が転がっていて埜亜さんと同じ方法で心臓を貫かれて亡くなった
香織さんは頭の中がパニックになってしまった。
今はそんなどうでもいいことは考えるべきではない、とにかく逃げなきゃいけないんだ
逃げ場所を考えてたどり着いたのは地下のワインセラーで二人を弔らおうと緊急用の墓地に使うために亡骸持って逃げ込んだ
「ここなら誰にも見つからないだろう」
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