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「坊っちゃん、いらっしゃい!火の玉一つどうだい?」
少年は、ぶんぶんと頭を振った。
「それどころじゃないんだ!僕、みんなとはぐれちゃったんだ!」
火の玉屋は、へらへらと笑う。
「そいつぁ、大変だな!でも、火の玉買ったら、火の玉が連れを見つけてくれるぞ!」
少年は、そうじゃなくて!と声を荒げた。
「僕は迷子なんだ!おじさん、大人なんだから対処しろよ!」
火の玉屋は、まだへらへら笑う。
「嘘じゃねーよ。まぁ、緊急事態だから、見せてやるよ!」
そう言って火の玉屋は、店の後ろで焚かれていた火をろうそくに点けた。
「おじさん、悪い人じゃないだろうな?」
迷子の割には気の強い男の子に店主は、そのろうそくを渡す。
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