衝撃のラスト

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 僕は全てを呑み込むように大きく五本の指を広げた。  全てを掴み取り、全てを握り潰す事が可能なパーを。  対して彼女はただ一心に拳を突き立て怒涛のラッシュを繰り広げるグー。  もう攻撃するしかないという窮鼠猫を噛む状況に一致した選択だった。 「勝ったぁぁ」  彼女の拳が僕の胸に突き刺さり、少し潰れたような声になってしまった。  彼女は突き立てた拳を弱々しく降ろし、たじろいだ。 「勝ったかった、勝ったぞ。ふふふ、終わったさぁ、さぁ! 君の負けだ! やったぞ、お前ら! 勝鬨の声を上げろぉぉぉぉぉぉぉ!」 「うおおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」  会場は熱気に晒され、敗北者を圧倒的にいたぶり続けた。 「うぅ、うぅぅぅ」  体を震わせながら彼女は小さく唸る。  嫌だ、 「嫌だイヤだいやだ! やだやだやだやだやだやだやだ絶対嫌! やだよう、助けてよ!」  彼女は僕の胸ぐらを掴み、最後の悪あがきに打って出る。だがここで止めるバカがどこにいるというのかね。 「嫌です。早く脱いで下さい。それとも僕が脱がして差し上げましょうか?」 「この変態紳士がぁぁぁぁぁぁ!」  彼女の断末魔のような声が響き渡る。  甘美な声につい、聞き惚れてしまう。 「まぁ、見せるとしたら胸だよね。そっちの方がまだ健全だし。もうブラ取るんでしょ? 分かってるからちゃっちゃとやっちゃって。ほらほら」  おざなりに促すと彼女は耳まで顔を赤くした。悶絶した表情を見せつつもあまりに無下な扱いに彼女は少し開き直った表情を見せる。 「何よなによ適当に! 脱いだら凄いんだからね! そんな色気ない目つきで見られるとムカつくのよ!」 「脱いだら凄いって単純に衣服で身体のシルエットが分からないからそういう事いうのであって下着姿の君が言う事じゃないからね?」 「うるさい変態が! 分かってるから分かってるわよ! もういい、脱ぐぬぐからうぅぅ、」  追い込まれて完全に自我が崩壊している。最後の正常な部分を支えていた一本のネジが外れる音がする。 「うわぁぁぁぁぁぁぁぁん! 女なんて、もう止めてやるぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ!」
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