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仮にも、弟の通う保育園の先生にくらい愛想振りまけよな、と心の中で文句を言う。
そろそろ職員室へ戻ろうか、と立ち上がると、ゆっくりと歩き出す。
職員室へと戻り、雑用を終え、帰る頃にはもう19時を回っていた。
園にただ一人の男性保育士だから、帰るのはだいたい最後。
笑顔で、おつかれ様でしたー、と帰る女性たちに愛想よく笑顔で返す。
「……俺も早く帰りてーっつーの。」
女性たちが出て行ったのを確認して呟く本音。静かになった園の戸締りをして帰る。
帰り道、つかれを感じながらダラダラ歩いていると、目の前から走ってくる人影に気づく。避けるのが間に合わず走ってきた人とぶつかった。
「…っおい!危ねぇだろ」
俺にぶつかり、尻餅を着いた男の、俯いた頭に向かって言う。
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