復讐

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 私の心がドキッとした。どなた様ですか? なんて言葉が口を出る。あいつは平然と、本名を名乗った。そして、隣に住んでいるんですけど、今度引っ越すことになったんです。なんて言った。私は普通にそうなんですか、なんて言いながらドアを開けた。  やっと会えたな。あいつがそう言った。すぐには意味が分からなかった。あいつがストーカーだってことにはまだ、結び付いてはいなかった。  メール、届いてんだろ? あんたのことはなんでも知っているんだ。そう言いながら、あいつはニヤリと口元を曲げた。やっぱりそうだと、あいつとストーカーが結び付いた。  だけどもう飽きたよ。あんたはいつも自己満足だ。見ていて最初は興奮したけど、今ではなにも感じない。ただの滑稽な女だよ。だからもう、こんなことはやめてやる。それじゃあな。  そう言ってあいつは姿を消した。  私はあいつの引っ越し先を調べ、追いかけることにした。電話番号は当然として、仕事先も実家も調べる。あいつの家には盗聴器と盗撮用のカメラを数台仕掛ける。絶対に逃さない。あいつにつきまとう影になってやる! 私はあいつとは違う。あいつが憔悴して消えて無くなるまで、もうやめてやるなんて、絶対に言わない。
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