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「お前の鬼才な才能は生涯残すべきだな」
「まあ嬉しいことを言ってくれるわね一八」
ワインを嗜みながら会話をする日本人の男と黒いジャケットを着た西洋の女。
「何?私との子どもでも作る気で今日は呼んだの?」
「違う。貴様の卵子摘出とコールドスリープさせるために呼んだ」
女は疑問符が頭に浮かんだ。
卵子摘出は分かるがコールドスリープという言葉は聞いたことがないから。
「どういう事か分かっていないようだな。貴様、先日のトーナメントでの任務を忘れて妹と楽しくあそんでいたそうじゃないか」
女は顔から血の気が引きガタッ身震いをさせる。
「しかし貴様のような優秀な人材を殺そうとは俺は思わん。だが反省はしろ」
ワイングラスが床一面に広がる。
そしてどこからか現れた男の手下達が彼女を取り押さえた。
「離せ!何をする気!?一八!」
「いう必要はない。貴様は次に目覚めたとき何も覚えておらず命令に忠実な犬になるだけだ」
「!?」
女は馬鹿ではないが最早何が起こるのか分からなかった。せいぜい分かっているのは自分の身に危険が及んでいることくらい。
「連れていけ、さらばだニーナ」
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