事件

6/6
前へ
/10ページ
次へ
巡の中でカチリと音がした。 「……探偵事務所だってんなら、謎を解いてみろや、腐れ探偵」 「なんだと?」  草鞋が顔をしかめた。 「探偵らしい仕事もせずに日がな一日資格勉強にうつつを抜かしてる高卒探偵(笑)にどうこう言われたくないわ! 俺を疑う前に自分の脳みそで考えて謎を解けや探偵なら!」 「どうして関西弁が少し入っているんでしょう?」  奈津子が首を傾げた。 「きさんが謎を解き明かしたら俺も心根入れ替えて無事にまじめに務めたるわこのアホンダラぁ!」  もはや、巡本人にもどこの方言をしゃべっているのか判別がつかなかった。
/10ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加