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極めてシンプルな、大きな白いテーブルと、折り畳みの椅子。
俺は美人と並んで座り、いれてもらった(インスタントだが)コーヒーを飲みながらこの建物の由来を聞いた。
曰く、この建物は元々は彼女の祖父が建てた物である事。
戦時中に病人や怪我人(感染症にかかっている恐れのある者)を隔離しておくために建てた物である事。
(これを聞いて、なぜ出入り出来るのが玄関だけなのか、なぜ扉や窓なんかが厳重に作られているのかがわかった。)
病人、怪我人間で性行為が行われないように男女間の部屋の並びの間が壁で仕切られている事。
色素欠乏症の娘を持っていた父は、祖父が亡くなった時の財産分割の時、完璧を重んじる家系の為、この建物しかもらえなかった事。
しかし、運営資金は多少なり援助してもらえるため、家賃は安く出来る事等々話してくれた。
あれこれ話しているうちに、壁にかかっている針時計をチラリと見た美人が嬉しそうに俺に言った。
「そろそろみんな帰ってくるよ。楽しみにね。」
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