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「どうしよう……喜んですらもらえなかったら」
「や、それはあり得ない」
美佳が呆れた声でそう言った。
手にしたトレーの上にはカップが二つ、そのうちの一つを私の前に置く。
ホットミルクだ。
一口飲むと、ほんのりとした甘味と優しい温もりがじんわり身体に広がって、ほっと力が抜けた。
「ゴメン、休みの日に急に押しかけて」
亨に先に報告しようと考えたけど、それは顔を見てしたかった。
かといって、居ても立ってもいられず私が相談できるところといえば、美佳しかいない。
「それもさっき聞いた。春妃、マタニティブルーじゃないの」
「え、それってそんな急になるもんなの?」
「知らないけど。なったことないし」
「……私も初めてだもん、何もわかんない」
言われて確かに、気分は塞ぎ込んでいるなとは思ったけれど。
それがマタニティブルーなのかと言われるとよくわからない。
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