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「……だよね。病院」
「総合病院か、個人病院?」
「産婦人科、ってなんか、緊張する」
「ついてってあげてもいいけど、まずは亨さんに相談したら」
「うん……でも、暫く帰らないんだよね。一週間後くらい」
「じゃ、それまでに口コミとか調べようよ」
焦らなくても大丈夫、と言ってもらった気がして、少し身体の力が抜けた。
「……ご飯が美味しいとこがいいな」
「もう入院した時のこと考えてんの」
「診察怖そうでやだな、亨ついて来てくれると思う?」
「あ、じゃあ。夕方遅くまで診察してるとことか探してみれば」
ネットで公開されている口コミを参考にしながら、いくつかの病院を候補に挙げていく。
そうしているうちに頭の中も整理が出来て来た。
食べれるだけ食べて、病院を決めて。
それから亨に話して、行けそうだったら一緒に来てって頼めばいい。
順序立てれば、気持ちも落ち着く。
その夜は美佳と食事に行き、悪阻なんて嘘のように食欲が湧き、美佳に驚かれるくらいに食べてしまった。
「体重、増えすぎてもダメらしいよ」という一言に、ぎくりとして喉を詰まらせるくらいに。
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