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と言うわけで、やって来ました近所の漁港。
時刻は朝の2時、オテントウサマハドコデスカー。
「マグロの船を探して乗り込みな……って、歯抜けのおじさんは教えてくれたけど……。あっ!あの船かな?」
漁港には大きな船があった。
船体に描かれたマグロの落書き、きっと歯抜けのおじさんのいってた船はこれだよね。
「……下手な絵。幼稚園児みたい」
体に「まぐろ」と書いてなかったら、たぶん判別できないレベル。
カメにも見えるし、クラゲにも見える。
その気になればオオグチボヤにも見える。
と言うかそもそも、魚の形をしていない……。
「おいゴルァ!!そこの女ゴルァ!!テメェか借金五千万はゴルァ!!」
「ひえっ!?」
後ろから突然、声をかけられた。
やたらにオラつくその人は、茶髪で高身長で若くてイケメンだった。
「き、今日からお世話になるシュリナです!」
「ザッケンナゴルァ!!スッゾゴルァッ!!ユビツメッゴルァッ!!」
「な、なんで怒られてるんですか!?」
よく分からないけど、とにかくめちゃくちゃ怒ってる……!
「あ、あの、ワタシ何かしましたっけ……?」
「俺の絵を見てイソギンチャクの死体が描かれているとか思っただろゴルァ!!」
「思ってないですけどぉっ!?」
ありもしない罪を押し付けられたけど、船には乗せて貰えた。
ワタシ、これからどうなっちゃうの!?
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