ep0.生まれてはイケナイ

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遠く、遠く、耳の遠くで サイレンの音が聞こえた。 「こっち!こっちだ! 高校生達が倒れている!」 …あれ。遠くじゃねえんだ。めっちゃ近いんじゃんかよ。 なんで遠くに聞こえたんだろう…ああ、そうか。 俺の意識が、遠のいているからだ。 だんだんと視界が滲んでいく。 ああ、これが…意識が遠のいている、という現象なのか。 「おい!この男の子だけ、声に反応しないぞ!!」 …いや、違う。 俺は…俺は…… 「…泣い、て……」 世界が真っ暗になった時、俺の思考回路は遮断された。 この日、俺という存在は消えたのだ。
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