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「勇者を、殺してやる……!!」
俺を隔離していた部屋が壊れた時、とある手紙が落ちていたのに気付いていた。
俺はその手紙を握りしめ、半壊状態の魔王城に向かう。
『この手紙をお前が読むのは、18歳になった時か、魔界が壊れた時だ。
なぜなら、お前はそうしなければいけなかったからだ。
お前には、世界を壊す力がある。
その力は、幼い時に解放させてしまうとお前自身に危険が伴う。
だから魔界のみんなが、今までお前を守ってくれていたのだ。
もしも魔界が壊れてしまったのなら、お前は俺たちの希望だ。
世界から何を言われようと、希望なのだ。
魔物は昔から、人間達に忌み嫌われている。
もっと嫌われてもいい。嫌われてもいいから、』
寂れた魔王城の、奥へと進む。
手紙に入っていた魔王城の地図…それは、公に出ている図面とは明らかに違うところがあった。
今もなお血の跡がついている魔王の部屋の前…そこの右の壁を、ゆっくりと押した。
ガコン、という気持ちのいい音とともに、その壁は奥へといって…わずかな隙間を作る。
「……誰だよ」
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