事件・事故の伝説

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腎臓トロボウ 都内で働くサラリーマンが新宿で飲んだ。 いい気分で歩いていると、いつの間にか新大久保あたりのホテル街に来てしまった。 あちこちに女性も立っている。 慌てて新宿駅方向に戻ろうとしたが、ホテル街の外れまで来たとき、彼は好みのタイプの女性に声をかけられた。 浅黒い肌をした南米系の美女である。 普段なら無視しただろう。 しかしこの夜の彼はいい気分で、給料日直後だったので懐も暖かかった。 たまにはちいかと思い出したら女性とともに、すぐ近くのホテルに入った。 部屋にはいると女性が先にシャワーを浴びてくれと言う。 言われるままに彼がシャワーを浴びベッドに戻ったところ、女性はビールを進める。 ところが、ビールを飲んだ彼は激しい睡魔に襲われ、そのまま寝入ってしまった。 翌日、彼はバスタブの中で目覚めた。 バスタブには冷水がはられ、氷まで浮かんでいる。 やられた、と思った彼はバスルームを飛び出し、財布の中のカードや現金が盗まれていないか確かめた。 すべて揃っている。 ほっとした瞬間、股間に痛みが走った。 見ると、陰嚢もろとも睾丸がなくなっていた。 あわてて医者に行った彼は、睡眠薬で眠らされ、その間に睾丸を摘出されたという事実を知った。 医師の通報で病院に来た警官によばれ、男性の睾丸は回春剤として闇ルートを通じて高値で取引されているという。 日本にも大規模な組織が進出してきて、この種の犯罪が大都市圏を中心に増加しているらしい。
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