1 クラブリボンへようこそ
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1 クラブリボンへようこそ
隣に座る男の頬肉が顎とも首ともつかない位置で伸し餅のように垂れている。 見れば見るほど異形な顔面が酒と皮脂でさらにテラテラと鈍く光り、ムードを演出するための薄暗い照明に今は赤黒く晒されていて不気味だ。 まるで深海魚みたい。 私は笑った顔の裏側でそう思う。 確かに、ここは深い海の底に似ているかもしれない。 一切光の届かない、過酷な闇。
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