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「!?」
「さぁさぁ時任くん」
「服装チェックの時間だよ」
俺の両腕をそれぞれ左右から捕獲していたのは、ついさっきまで必死に旦那様を抑えていた霜月さんと丸谷さんだった。
その顔にはいつも通りの穏やかな笑みが……言い方を変えれば、内心を読ませない鉄壁の笑顔が浮かべられている。
「は? え? いえ、私は配車の手配を……」
「だぁ~いじょうぶ、大丈夫!!」
「それは私達がやっておくから、君は着替えてきなさい」
「? ……!? ……!!」
隣室へ連れ込まれ、お仕着せ一切を剥ぎ取られる。
俺はあれよあれよと新しいお仕着せに着替えさせられ、気付いた時には普段自分が運転しているリムジンの後部座席……通常ならば雅お嬢様が座っている席に押し込まれた。
呼び出しから茶番まで、全員グルかよっ!!
気付いた時には、夏祭りの会場が目の前に迫っていた。
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